田端さんの"MEDIA MAKERS"を読んだ

FacebookやTwitterでずっと田端さんの発信は購読して興味はもっていて、ふと本出してるのかな?と思って調べたら見つけたので買ってみて読んだ。

昨今のウェブメディア事情だけでなく、「メディアというものはなんなのか?」という田端さんの考えが分かりやすくまとまっていて読み応えがあった。

メディア編集者は対象読者の「イタコ」となれ!

ウェブサービスを作っている人にはお馴染みのペルソナ。メディアを作る上でも大事だよという話。

長編小説を書く作家や人気マンガの原作者が、作品完成後のインタビューなどで、しばしば「頭の中に、登場人物たちの「キャラ設定」さえできてしまえば、あとは勝手に登場人物たちが、ストーリーを前に引っ張っていくんですよ」といった趣旨のことを話すのを聞いたことはないでしょうか。ここで言われる「キャラ設定」と、メディア編集の世界における読者「ペルソナ」の設定は、ほとんど同じものだと思います。

仲のよい友だちならこんなときに「あいつだったらこうするわ」って分かるように、ペルソナもそれくらいの精度、また無意識に浮かんでくるくらいものであれ。

ウェブサービス作る上でも参考になる話。定性的な調査する前に憑依先に聞いてみれば早いんだよ!

全ては読者のために

適当な記事は長期スパンで見破られる。

なるほど、一般読者は、プロのメディア業界人から見たら、そこまで考えずに情報を受け取っているように見えるかもしれませんが(中略)魂を込めずに投げやりに書いた記事やPR記事ばかりが掲載されているメディアを無意識のうちに見抜き、「しょうもない三流メディア」と脳内で格付けしていくセンサーを、長期間においては、必ず働かせていく私は確信しています。

とても共感で、やっぱり魂のこもってないモノって分かるよね。使っているうちに。

そのモノのプロじゃないとすぐには見分けは付かない。例えば、適当な記事を見せられて「これはプロが書いたか?素人が書いたか?」と言われても分からないけど、日常で愛着を持って使い続けられるモノというのは、種別に限らず作り手の魂がたくさんこもっているモノである気はする。

蛇足だけど、プロが「これはプロの仕事じゃないな」って見抜く基準ってユーザーには興味のない尺度だったりして。ウェブであれば、「1pxずれてる」とか「ソースに統一感がない」とかね。

メディアには予言を自己実現する力がある

こんな話もおもしろかった。

例えば、東スポが「ソニー倒産か?」と書いたら、笑い話で終わるかもしれません。しかし粉飾スキャンダルが発覚した直後の、オリンパスや2012年9月現在のシャープくらいシビアな状況の会社について、日経新聞が「明日にでも倒産か?」と報じたら、その記事によって、生死が五分五分だった状況の会社でも、本当に倒産してしまいかねないのです。

真面目な主張なんだけど、例えが面白くて。

力のあるメディアは怖いんだぞ、でも東スポってものもちゃんと価値を届けているんだぞってふうにも捉えられる。

 

総括として、とても分かりやすい言葉で身近な例を交えて解説してあり、田端さんの世界に入りやすかった。
読みやすいしエンジニアさんにもオススメです。 

MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体

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